長年の婚約者である第二王子から婚約破棄を言い渡されたローラ。彼女は笑顔で承諾し、婚約者と浮気相手である親友の結婚を祝う。
ところが婚約者と親友は恨み言を言わない彼女を逆に責める。困った彼女は悪気なく彼らの悪事を明らかにし、バルコニーから飛び降りた。
実はローラは、世界に魔王を生み出さないために婚約破棄を何度も繰り返していた。婚約者への未練など最初からない。むしろ彼女は、教会の司祭に叶わぬ恋をしていた。
婚約者を許すように彼女を諭す天使は、憧れの司祭と同じ顔をしていて……
。
片思いをこじらせた愛が重いヒロインと、ヒロインのためなら天使から魔王へのジョブチェンジも喜んでしまうヒーローの恋物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-27 20:01:07
8011文字
会話率:64%
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「貴様はこの家から出ていけ! 間抜けな人間の出来損ないが!」
「ヴァン・ユグドラシル、貴様を国家反逆罪で追放する」
少年――ヴァン・ユグドラシルは、人類で唯一魔法が使えない特異体質だという理由で二度も追放された。
一度目の追放は、家族に無能と罵倒されて奴隷商人に売り飛ばされたこと。
二度目の追放は、ヴァンにとって唯一の味方――アイリス・アールヴとの仲に嫉妬した第一皇子に無実の罪を着せられ、彼女を守る為に国を追われたこと。
しかし国を出てすぐ、ヴァンは敵対国家と魔獣の戦いに巻き
込まれる。そして、戦いの中で絶体絶命――誰もがそう思った時、ヴァンは自らの力を解き放った。
「攻撃が消えた!?」
「――魔法を喰らって、自分の力に変える。これが俺の力だ」
ヴァンが解き放ったのは、災厄の魔眼――“叛逆眼《カルネージ・リベルタ》”。全ての魔法を喰らい尽くす、“魔法殺し”とでも言うべき反則的な能力。この力こそ、ヴァンが奴隷商人から逃れ、その後に追放されるまで国境の危険地帯で生き抜いて来られた理由だった。
そして魔獣を討ったヴァンに対し、先陣を切って戦っていた少女――セラフィーナ・ニヴルヘイムだけは、唯一その力を認めて手を差し伸べる。
そんなセラフィーナに溺愛されながら心を通わせていく中、ヴァンは皇女である彼女が抱える苦悩と葛藤に直面する。
一方、ヴァンを追放した国は、危険地帯の魔獣を倒していた彼がいなくなった事で侵攻が激化。自業自得が原因で滅亡の危機に瀕しており、そのせいで周りから見放され始めた第一皇子も崖っぷち。
最後の策としてセラフィーナの国へ侵略戦争を仕掛けるが、追放したはずのヴァンが立ちはだかる。
戦争の最中、状況が厳しくなった第一皇子は“敵”として対峙しているヴァンに“戻る事を許してやる”と命令するが、当然従うはずもない。
ヴァンは魔眼の力で、かつての祖国を容易く蹂躙してしまう。
これは蒼銀の皇女に拾われたヴァンが、最強の魔眼で英雄へと成り上がる物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-10 20:01:49
477306文字
会話率:44%
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