先日、危険を顧みぬ作戦行動についていけれないと相方からバディを外されたジェイク。
特殊部隊あがりの一匹狼を気取って所轄でも馴染もうとしないジェイクに、上層部は千ページからなる契約書を目の前に出してきた。
曰く、ジェイク警部補に相応しいバディを用意した、と。
その者はリサーチ能力に長けていて、実働を担うジェイクをサポートすべく公私にわたってオペレーションするという。ただし、骨伝導タイプのインカムだけで。
「AI? 機械での案内は必要ねぇ」
「いや、音声だけだが人間だ。隠
密行動に優れていると数値が示している」
基本的に一人で動きたいジェイクには正直、最適な気はしていた。なにより、本人が遠隔にいるならば目の前に立たれることもない。
「ラジャー、ボス。他に希望者がいないんだろ?」
「ああ、残念なことにね」
なら迷うことはない、と既に相方がサイン済の隣に並べて書く。
「……エレナ? 女か?」
「分子工学の博士号をもっている知的な女性だったよ。写真だけみたがね」
「へぇ」
ドクター・エレナ・クリフトフ。
ドクターで十分だな。
ジェイクは必要最低限の情報だけインプットし、その場を去るのだが。
後にこの契約書を熟読しなかった事を後悔するのである。
本作は秋月忍さま主催
『男女バディ祭』参加作品です。
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©️なななん2021折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-25 20:17:12
33228文字
会話率:53%
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