21世紀後半。日本は、持続可能な老人福祉社会の実現のために、腸内細菌叢をはじめとする、体内の微生物を調整する法案を通した。この法案は、『ウンコ法』の呼び名で知られる。安い高齢者介護施設に入るには、誰もがウンコ法に同意する必要があった。
「わたし」は、老父を介護施設に入れる時にウンコ法に同意したことで、負い目を感じていた。そして、自らも老いてウンコ法に同意し、介護施設に入ることになる。
最終更新:2022-01-04 12:00:00
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この物語はフィクションです。でも、近い将来においては…
ヒトの遺伝子の数は二万数千個と言われている。しかし、「ヒトが生きている」というとき、そのヒトは四〇〇万個の遺伝子を抱えている。
ヒトの細胞の数は六〇兆個。しかし、生きているヒトが持つ細胞は一〇〇兆個である。
ヒトは、細菌とともに生きている。
今まで人間は、細菌を軽視してきた。
軽視が言い過ぎなら過小評価してきた。
細菌の重要性は、今の時点でもかなり研究されているが、しかし、それは充分というには遠い。
最終更新:2021-12-22 21:22:44
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