最高な人生だった。
数百年に一度訪れる星降る夜にグラネド王国の第一王子として生まれ、その光景からも建国の祖の再来とも呼ばれ期待されていた幼少期。
齢が八を数えるその年、王都にある大神殿で神授の儀を執り行ったときに初めて周囲の期待を裏切った。
世界を見守る神様からスキルと加護を授かる為のこの儀式、世に生を受けた人間類はほぼ例外無く何かしらのスキルと加護を受ける。
はずだった。
しかし、私はただの一つとしてスキル、加護を与えられなかった…
それでも、私の人生はどん底に転
落しなかった。
異端の私に対して父王が呟いていた言葉は今でも私の心に残っている。
「絶対、凄い偉大な人間になるやつだ、これ。普通じゃ確認出来ないような隠しスキルとかギフトとか呼ばれるやつ持ってるやつだ。若しくはこれきっかけで迫害されて覚醒したりして復讐されるやつだ。幸せに育って欲しいから初代が残した書物に残ってる復讐ルート以外の覚醒パターン全部試そ。」
この日から、覚醒を促すためといわれ様々な試みが行われた。
結局、何一つ覚醒には結びつかずこうしてスキル無・加護無の人類として一生を終えようとしている。
鼓動が弱まっているのを自分で感じる。
周囲の音が遠くなっていき、何も見えなくなってきた。
これが死か。最高の人生を締めくくる最高の感覚だ…
…
…
…
-----------------
≪ギフト:『』の発現を確認≫
≪トライアルモード終了を確認…これよりリザルトの確認に移ります。≫折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-15 10:11:21
2594文字
会話率:14%
IN:0pt OUT:28pt