世界が丸いことが証明され、すべての大陸が発見され、そして宇宙の存在にすら人々が気づき始めた時代。
神々の時代から続く長い歴史の果て、かつて秘儀とされた魔法の数々は技術として広く普及し、産業の発展をもたらした。世界は狭くなり、異なる文化が繋がり、そしていくつかの悲劇を経て、人類は安定と発展の時を迎えようとしていた。
そんな中、世界各地で不思議な噂が流れる。霧とともに現れては消える巨大な城「島船」と、それを追う、奇妙な旅人。
……荒涼たる砂漠へ、果てなき森林へ、絢爛たる大
都市へ。それは、ひとりの男が、愛と魂を取り戻そうと歩み続ける、長い長い旅の物語だった。
『海と炎のアマーリロ』
・世界暦196年 暗黒大陸中西部・チエロニア領アマーリロ
チエロニアの冒険者カルロスと、ツァン諸族の英雄フ・クェーンの同盟から200年。
先住民ツァン諸族とチエロニア移民が共栄するアマーリロ湾は分裂の危機にあった。『海の悪魔』が群れを成して暴れまわり、アマーリロの平和と繁栄を脅かしていたのだ。
「これはツァン族魔術師の仕業である」
噂は、ふたつの民族の結束に、静かに亀裂を走らせていく。
そんな中、突如海に現れた「島船」。幻のようにたどり着けない、霧をまとう城。
それからひと月。火の山を越え、荒野を抜け、大河を渡り、一人の旅人がアマーリロの地にたどり着く。
※これは、ある世界を旅する、ある旅人の物語を、一話完結型?で綴っていくものです。
※この「海と炎のアマーリロ」が最初の物語となります。一応書きあがっていますが、今現在でも「序」を含め、19万字ほどになっています。推敲・加筆・修正などをしつつ、少しずつ投稿する予定です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-05 20:00:00
202074文字
会話率:42%
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