彼女は、白い衣を身に纏い、全身水浸しで神楽殿に立っていた。
身に着けているのは、薄い生地の白い着物一枚きりで、それも水に濡れ肌に貼り付き、躰のシルエットをくっきりと浮かび上がらせている。
棗(なつめ)は息を呑んで、急いで身を隠した。
彼女は
、結ばれた腰紐を解き、腕を抜いてはだけると白衣(びゃくえ)を足元に脱ぎ落す。
すらっとした長い脚、細身ながらも体つきがよく、抜けるほど白く艶のある肌。
釣り灯籠の炎が揺らめいて、彼女をより一層妖艶に照らし出す――。
左爪が棗の右肩に浅く突き刺さる。
棗は、腕ごと引き千切られそうなところを、何とか凌いだ。
右爪は、巫音(みこと)の頭を輪切りにする勢いだったが、棗の左腕が辛うじて抑え込んでいた。
棗の腕は、ミシミシと不穏な音を立て、何時折れてもおかしくない。
巫音は、やっと正気を取り戻したのか、頭を左右に振ると辺りを見回す。
棗の右腕が掻き切られれば、自由を取り戻した左爪が、猛威を振るうことになるだろうことは、容易に予想できた――。
折り鶴の呪符を操る神織神社の巫女、織紙巫音(みこと)。
厄介ごとにはかかわらず、ほどほどに学生生活を楽しむはずだった青葉棗(なつめ)。
護童(ごどう)学園高校で次々に起こる不可解な出来事に、巫音の呪術と棗の呪力?で立ち向かう。
怪しく、不気味で、少しエッチ。
ちょっと天然な巫音と変わりない日常を愛する棗が織りなす怪異譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-13 17:14:34
62444文字
会話率:14%
私たちには美味しいスイーツが必要なのだーーそう、生き残るために!
絶品スイーツを食べ続けないと死ぬ呪いをかけられた妖怪コンビが、日本の甘味を喰らい尽くす!
喜びと悲しみの中を生きる人間たちの姿と、
それから、ちょっとだけ日本中のお菓子のこ
とを描くゆるやか怪異譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-10 08:00:00
102728文字
会話率:32%
いつもの放課後。帰り道。僕は親友と二人で歩いてゆく。
からたちの生け垣の向こうから聴こえてくるのは、カノン。
──違うだろ。これは輪唱の曲だよ。
小さな諍い。少しずつ覚える違和感。ねえ、僕たちずっと二人だけだった?
僕は君と歩いてゆく
。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-28 20:00:00
3729文字
会話率:47%
主人公T、悪友RとKの三人を中心に酒屋トークとして怪異譚を話します。
最近はTVで怪談番組少ないし、トークのネタとしても語られるのが少ない昨今ですね~
知り合い(ガチ僧侶、ガチ霊能力者、等など)からの聞きかじりから得た知識など合わせ話広げて
いきたいですね~
怪異好きな方、時間つぶしに一読よろしくです!!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-26 00:00:00
1342文字
会話率:19%
俺の名は駿河 真一・・・30歳独身だ。
俺が今まで生きてきた中で、
怪異に纏(まつ)わる話をこれから先、いくつかしていこうと思う。
子供の頃からまぁ~色々とあったんだけど、
幽霊だとか怪異だとかあまり信じたくはないんだが、
実際この目で
見てしまったら・・・認めるしかない。
だからちょっと不思議で怖い体験を、みんなに聞いてほしい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-04 00:02:45
8619文字
会話率:12%
三人官女と五人囃子が恋人同士なら、二人余って可哀想。
そんな無邪気な発想で働いたお雛様への悪戯が、思わぬ事態を引き起こす。
桃の節句を控えた少女の身に起きた、人形を巡る怪異譚。
(※本作品は、武 頼庵様御主催の「この作品どう?企画」の参加作
品で御座います。)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-03 05:12:44
4472文字
会話率:33%
主人公「やまと」が経験する怪異譚
最終更新:2021-02-28 06:01:11
16497文字
会話率:35%
古来より人々を苦しめてきた怪異。
現代ではそれらに対抗するために、多くの専門家を集め、通報があればすぐに怪異を祓う。
そんな役割を担う怪異対策組織の中でも、特に変わった青年がいた。
彼の名は、成神。
組織の上層部でさえ、名字以外の情報を
持たない素性不明の男。
腕が立つことだけは確かである。
これが組織の認識であった。
しかし組織は知らない。
成神が、その身に怪異の力を宿していることを。
彼の腕が立つ理由の大部分が、その怪異の力によるものだということを。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-01 00:34:31
17558文字
会話率:23%
真冬のショート・ホラー小説劇場 第10話 「ラヂオ怪異譚・こちらはYBX深夜放送局です」
キーワード:
最終更新:2020-12-12 06:51:14
3173文字
会話率:9%
高校生の、どこにでもいるであろう冴えない男。人畜無害、平々凡々、案分守己、自己優先、だがちょっと他人と違うのは、少し変わった幼馴染がいる事。そしてもう一つは、その少女に連れられた曰く付きの神社で、可愛らしくも少し寂しい、ロリで狐耳の神様と出
くわした事――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-18 13:16:16
17403文字
会話率:53%
現代の有名な都市伝説に『きさらぎ駅』というものがあるのをあなたはご存じだろうか?
2004年、とある掲示板にこんな書き込みがあった。
「先程から某私鉄に乗車しているのですが、様子がおかしいのです」
「はすみ」と名乗る人物がいつも通勤に
使っている電車に乗っていると、いつもと様子が違うことに気が付いた。普段なら数分で着くはずが、何十分も止まらない電車。そしてしばらくしてその電車は「きさらぎ駅」という無人駅に停まるのだが....
その他にも数多の都市伝説がこの世には蔓延っている。そのほぼすべては結末は曖昧にあるいは悲劇に終わるはずだったのだが、世の中には常識の通用しないやつが稀にいる。この世の理不尽を覆すのは、超人ではなく、ヒーローでもなく、頭のイかれたゆるふわガールなのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-22 00:48:25
10343文字
会話率:41%
泥のような気狂いたちが壊れながら生きる怪異譚
最終更新:2020-09-14 20:53:20
397文字
会話率:28%
「あのさ、“ゆるりと怪異譚”って本知ってる?
そう、表紙が黒い本なんだけど…。
その本、表紙が黒だから“黒い本”って呼ばれてるんだ。
そう。“黒い本”。それ、ヤバイらしいよ。
え、何がヤバイかって?
その本、独りでにお話を紡ぎ出す
んだって。
しかもね?そのお話なんだけど…、
“全部読んだ人の周りに起こる出来事”らしいよ。
ね、怖いよね。だから気をつけてね。
え、自分は大丈夫だって?
ダメだよ。だって、
「怪異」はいつも君の傍にいるんだから」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-12 13:15:46
11567文字
会話率:14%
かつて神を何柱も殺してきた最強の二人組、雨神・霧払驟時雨とその信者、一般高校生・粗剃零夜は現代日本で二人、平穏な日常を送っていた。が、ある日唐突にワープホールに落ち、現代の日本とはうってかわって、神と人間が共生している、一風変わった和風の
異世界に転移する羽目に陥ってしまう。
最強の名を欲しいままにしていた二人は、この異世界で起こる様々な戦いに身を投じる覚悟をしていたが──ここで予想外の事態が発生。
その世界での戦士、というよりも侍たちと神々が全員、現代では無双状態だったその二人よりも強かったのである。
彼らの主武装である決して折れない妖刀も、その世界ではその価値が霞む。
現代では最強の神だった霧払驟時雨よりも強大な神が大勢存在している。
戦闘においてはほとんど素人同然の高校生、粗剃零夜はその世界ではただの弱者であった。
だが艱難辛苦は襲い来る。
かつての生活に戻る手がかりも無ければ、戦う理由も無い。
しかし、零夜には過去に託された言葉があり───そこには二人でしか掬うことができないモノがあった。
劣等感、後悔、苦痛、全部背負って未知の世界で前を向く。ひたすらに走り続けろ。
これは怪異譚では無い。
運命に抗う、人間たちの物語──
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-09 00:10:38
86359文字
会話率:49%
駅と電車。日常生活に無くてはならないモノなれど、時に恐ろしい夢幻を見せるモノなり。
最終更新:2020-07-24 18:02:29
1054文字
会話率:18%
日本に伝わるオリジナルな不思議話集
最終更新:2020-07-24 07:55:32
611文字
会話率:8%
「それでは謹んで、お預かりいたします」
さつきの幼馴染・航夜(こうや)の家は代々、所有者や周囲の人間に怪異や災いをもたらす「忌み物」をあずかって供養する「あずかり処(どころ)」という生業を続けてきた。
ある日、さつきは叔母からの頼みで「
何度捨てても家の中に戻って来る」とある一冊の絵本を航夜の家にあずかってもらう。
しかしその日の夕方、叔母と一緒に来ていたはずの幼い従弟が突然姿を消してしまい――――?
これは彼らの日常と、人の世に隣合う境界の物語。
祟りや神隠し、呪い、憑き物、幽霊、あやかし……
少年少女が怪異に立ち向かう、ちょっと切ない青春ホラー。ぜひご一読ください。
※エブリスタ、カクヨムにも投稿しております。
【宣伝】
第八回ネット小説大賞にて『奇書館黄昏堂の魔女 ~名もなき手記と追憶の栞~』が受賞しました。
新感覚ビブリオファンタジー、この機会にぜひご一読ください!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-17 17:00:00
32161文字
会話率:38%
この物語は本当の恐怖が体験できる貴重なお話、恐怖とホラーの違いについてどの位理解ある人間がいるだろうか。
この物語は街談巷説《がいだんこうせつ》、怪奇伝集《かいきでんしゅう》、道聴塗説《どうちょうとせつ》、怪異譚《かいいたん》どれにも該当
しない。
恐怖とは様々で電柱の影が化け物に見える錯覚から魑魅魍魎の類に宇宙人までこれは人間の知識の無さからくるもので更に物理的に拷問を受け痛みによる恐怖もあり結局は’死’を意識しての恐怖だ。
そして’死’とは百発百中で迎えるエンディングでありどんな富豪や大スター達にも逃れられない。
そんな恐怖と戦う為に人類は宗教と言うものを作り出した勝手都合の良く、存在するかも分からない神という存在、その神が世間では乱立している。
まだリアリティーのある人間の科学力を遥かに凌駕する異星人を崇拝した方が現実的だ。
そしてこの物語の主人公みたいな人物が大勢蔓延《おおぜいはびこ》っている現状を理解して頂きたい。
犯罪者の街頭インタビューで「そんな事するような子じゃなかったのに」
そう社会に紛れているごく普通の一般人が主人公なのだ
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-09 13:54:53
29000文字
会話率:45%
舌足らずな甘い声。白と黒と、鮮烈な赤色だけで構成された、少女。
彼女に出会ったのは、平成最後の冬だった。
この出会いは運命ではなかったけれど、それでも確かに、僕の人生を狂わせた。
最終更新:2020-06-29 02:05:43
10985文字
会話率:49%
都内某雑誌編集社に努める青年新城雄太郎(あらきゆうたろう)が奇妙な事件に挑む。
不定期更新。続きが見たい方はコメント下されば作者の創作意欲に繋がります。
宜しくお願い致します。
最終更新:2020-05-29 22:55:07
1892文字
会話率:52%
科学では説明できない存在『怪異』を人知れず祓う手伝いをしている青年『天神ジン』は、ひょんなことから最悪の怪異である呪い人形『アンナ・アロー』と『神松沙織』から呪いを受ける。
こうしてジンは、神松沙織から命じられた怪異祓いをすることで、呪いと
呪いをぶつける解呪を試みることになった。
ホラーの前作である
『髪人形怪異譚』 https://ncode.syosetu.com/n2119ga/
は雰囲気とか掴める感じの奴です。一応前作キャラの名前とか出るけど読まなくても平気かなぁって感じで。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-10 18:24:35
17131文字
会話率:40%
科学では説明できない存在『怪異』に両親を殺され記憶障害になった少女、上山艶香は引き取られた天神家で『髪人形師』と呼ばれる封印された怪異と出会う。
彼女に協力し、艶香は怪異を祓い、彼女がかつて作った呪いの髪人形を集めていく。
第二怪異の
理髪店エピローグ、最後に次回への引きを追加しました(20200211)
第五怪異の勇者本殿編開始につき、ガールズラブのタグを追加しました。そういうキャラが出たり描写が出ると怒られるなろうの差別的仕様です(キレてる)
勇者本殿7のあとがきに鳥のキャラ説明を追加しました。(20200219)
髪人形師3,1・3,2のタイトルにバッドエンド名を追加、また3のあとがきに豆知識を追加(20200222)
髪人形師4.1~4.5(4.2除く)に怪異ステータス追加(20200301)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-08 01:06:43
168203文字
会話率:45%