ぎゅうっとしたくなる。ぎゅうっとされたくなる。傷のことも、あの日々のことも、あと、あなたのことも。誰にも話してない痛い過去を持つふたり塚本千尋と、井上青嗣。同じ時間を過ごしていくうち、互いの哀しい過去に触れていく。彼は彼女の存在に、彼女は彼
の存在に支えられて少しずつ歪んだ過去を受け止め始めた。彼と彼女の綺麗で儚い日々のこと。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-08-09 18:50:59
12163文字
会話率:15%
大学を卒業してから小さな植栽関係の会社で働いているわたしは、過ぎていく毎日に、寂しさのような、物足りなさなのようなものを感じている。ある日、わたしがいつものように植物の世話をしていると、会社の先輩が彼女に声をかけてくる。そしてふとした会話の
流れから、その先輩の口から、花にまつわる、ある少し哀しい過去が語れることになる。その先輩の話す少し哀しい花のエピソードに耳を傾けているうちに、わたしもふと過去の花にまつわる記憶を思い出す。ふたつの花の記憶は次第に重なりあってわたしの心のなかで静かな変化が起っていく・・。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2007-09-21 09:56:54
13711文字
会話率:17%