卒業パーティー中の煌びやかなホールにこだまする、男女の叫び声。
その内容はこの場に相応しくない、婚約破棄を宣言しそれを喜んで受け入れるものだった。
目が覚めたらそこは小説で読んだ世界、わたしは登場人物であり物語の最後には婚約破棄され国外追
放となる悪役令嬢。
これってよくネット小説で見る悪役令嬢に転生するってヤツ?てことはわたし死んじゃったの?
せっかく大学生になって居酒屋バイト始めて憧れのあのセリフを言えるようになった矢先に?
そんでもって生まれ変わっても婚約破棄されて国外追放?
冗談じゃない、そもそも前世?の記憶を思い出したわたしは金髪碧眼ロン毛婚約者のこと好きでもなんでもない。
それならばこれから現れるであろうヒロインを虐めない嫉妬しない無関心を徹底して、例え断罪されたとしても自分の無実を証明できる準備をして予定通り婚約破棄を言い渡されたらあの憧れのセリフを思いっきり言ってやろうじゃないか!!
「婚約破棄だ!」
「はい喜んでーー!!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-05 11:23:49
9384文字
会話率:21%
西暦2530年、原因不明の消失現象である《大欠落》によって、地球の居住可能地域の大半が失われた世界。
エーテルの観測によって魔道工学が進歩し、誰もが魔法を使うことができるようになった日本で、魔道学園に通う鞍部継穂(くらべつぐほ)は、悪友で幼
なじみの樹神心乃華(こだまこのは)との帰宅途中、妖魔に襲われ、身代わりになり意識を失う。目覚めた先には見覚えのある少女が彼を見つめていて――
少年たちは、それぞれの出会いによって日常が変貌していく。
属性ごちゃまぜ系学園異能バトルファンタジー。
※特定人物のみ一人称、その他は三人称で書いています。苦手な方はご注意ください。この作品はカクヨム様にも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-25 17:43:56
62214文字
会話率:51%
死を望まれた少女アリマは、肉片となった後も生きながらえ、不思議な世界で覚醒した。
この日をアリマ記念日と制定し、新たなアリマとして歩み始める。
アリマの行く先々で世界は狂い、血塗られる。
それでもワンダーランドでは、少女の笑いがこだまする。
『さあ、みんなで殺し合いをしましょう』
誰もがアリマの死を望む。
しかし、同時に誰もがアリマの魅力に取り憑かれ、どこまでも狂い堕ちていく――――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-20 12:30:12
5134文字
会話率:43%
「ウホオオオ!!」
薄暗い廃倉庫に、雄叫びがこだまする。
その目からは生まれ持った優しさは消え、凶暴な野生の本能が燃えていた。
ある朝目覚めると、早乙女あゆむに獣人化(アニマ)と呼ばれる現象が起きる。
その結果、少女と間違われるほどの
美少年だったあゆむは、筋骨隆々のゴリラへと変貌を遂げた。
「なぁ、放課後バスケ部の見学に来ないか?」
「いっしょに甲子園目指そうぜ!」
驚異的な力を得た彼を、運動部はこぞって戦力に加えようとした。
あゆむがゴリラになったことで得られたものは、思っていたより多かった。
「うわあああ!!ゴ、ゴリラだ!」
自分から金を巻き上げていた不良を倒し。
「ねぇ、明日って空いてる?」
距離の空いていた幼馴染ともデートに行くことができた。
しかし今、目の前には傷ついた幼馴染と、攫い襲った暴漢たちがいる。
怒りに染まったあゆむの中を、ひとつの衝動が支配していく。
ぶっ殺してやる。
ダメージを意に介さず、迫りくる敵をなぎ倒していくあゆむ。
その様子を面白そうに眺める男がいた。
「思いっきりやろうぜ。久々に楽しめそうだ!」
倒すべき敵、最も凶悪な存在にあゆむは立ち向かう。
ゴリラになった美少年は、愛と友情を掴むため、授かった拳を振るっていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-11 00:01:51
105003文字
会話率:47%
「ガッデム!」
都内某高級ホテル。
一泊十数万円はくだらないホテルの講堂内にて、野太い男の声がこだまする。集まった百余名は互いに顔を見合わせ、これから何が起こるのかを一様に案じていた。そしてそんな中、ひとりの角刈りの、サングラスをかけた
ガタイの良い男がステージ袖から壇上へと上がった。男は壇上から講堂全域を見渡すと、マイクを手に取り、言った。
「──はじめまして。私は当ホテル支配人の蝶〇と申します。皆様に集まって頂いたのは他でもありません。この中にひとり、当ホテル料理長が開発したレシピを盗んだ輩がいるとの報告を受け、急遽、その者を逃がさない為、こうしてホテル内にいた皆様に集まって頂きました」
ざわざわざわ。〇野がそう告げるや否や、講堂内に人の声が溢れた。
「オラ! エー!」
蝶〇が一喝すると、ざわついていた講堂内が一瞬で静まり返った。
「まず、その事について私から深くお詫び申し上げます」
〇野は壇上に手をつくと、その場にいた全員に深々と頭を下げた。
「……ただ、皆様に時間を取らせる程の事でもありません。こちらのほうで犯人の目星はついています。犯人の名は──鈴木桜」
蝶〇がその名を告げると、ステージ最前列にいたスーツ姿の女性が肩をビクッとさせた。そう、彼女こそが鈴木桜。その人であった。〇野はステージ上から豪快に下へ降りると、最前列一人一人の顔をじっくりと見、鈴木の前で足を止めた。
「おいおまえ、名前は?」
「キューティ……ブロッサムです」
「外国人か」
「純日本人です」
「純日本人なのにその名前なのか」
「よく友達にも揶揄われていました」
「そうか。大変だったな」
鈴木はそう言われ、ホッと胸をなでおろした。これで蝶〇は何処かへ行く。そう思ったのだろう。しかし、〇野は頑なに鈴木の前を動かなかった。
「おまえ免許証見せてみろ」
「え?」
「持ってるんだろ?」
「いやです」
「何故だ」
「言いたくありません」
「いいから命令だ。早く見せろ」
「いやだああ!」
鈴木は必死に暴れて抵抗してみせたが、呆気なく免許証を取られてしまった。
「おまえ、鈴木桜じゃないか」
「違います!」
「ここにそうあるだろ」
「それは私の父です!」
「嘘つけ!」
「ホントです!」
「もういい、ステージに上がれ」
「え?」
「制裁だ」
こうして主人公の鈴木桜はビンタされ死んでしまった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-24 21:01:09
200565文字
会話率:63%
高校一年生、春、僕は、同級生の女子を庇って車に轢かれた。
車に跳ね飛ばされた体は勢いよく跳ね、そのまま頭からコンクリートの地面へと着地。
彼女の命を助けれた、その満足感に浸って僕はこの世とおさらばすることになった。つまりは、端的に言ってしま
えば、僕は....死んだ。
...と、思っていたし、そのはずだった。
暗転する視界、もんどりを打って僕の体が転がり出たのは、木漏れ日の指す明るい森だった。
訳も分からず周りを見回す僕の目の前に落ちていた一枚の紙片。
少しシワのついてしまっている紙、そこに書かれていたのは
『転生おめでとう!君はこの世界に選ばれたよ!頑張ってね!』
という文面と、端っこに書かれたレベル0、という数字。
「なんだこりゃあああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
森にこだまする絶叫が、無責任な神による強制的な僕の冒険の始まりを告げていた。
(モチベと筆の速さの問題で一話あたり大体4000~7000時で小刻みに更新します。勢いで書いてるので題名は仮です)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-22 23:00:00
96702文字
会話率:37%
5年に一度、牛乳愛好家の貴族達はとある伯爵の屋敷に集い、自慢の一品を披露しあう会合を開いていた。
屋敷に招かれたあなたは、そこで世にも恐ろしい光景を見ることとなる。
ああ、今宵も彼らの歓喜と断末魔の声がこだまする。
ナマモノ故に…
最終更新:2020-12-27 02:12:57
927文字
会話率:29%
おっす、オレ、私立中学1年生。受験頑張ったけど、父親の転勤で他県へ転校することになった。受験、結構頑張ったけど、仕方ないよな…。
と言いつつ、オレはちょっぴり嬉しかった。
小学校ではできる方だったけど、周りの頭が良すぎてついていけてなかった
し、友達も丸尾と角田というオタクだけ。これは、オレが思い描いていたスクールライフじゃないんだ!
新しい学校は公立だけど、女子もいるし、頭イイキャラとしてまた輝けるかもしれない。
オレは!陽キャに!なるんだー!!
「「「「どこだ!ここはーーーー!!!!」」」」
家族4人の悲鳴がこだました。
どうやら、新しい家と、引越しのトラックとともに、
異世界転移したらしい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-17 16:06:57
2236文字
会話率:27%
謎の宇宙船の中で目覚めた少年、小玉(こだま)一(はじめ)はオモイと言う、前世で共に過ごしたAIによって転生した事を告げられる。
見知らぬ宇宙で彼に残された物は、生前にプレイしていたVRMMOFPSゲーム【ザ・シーカー】に登場する兵器やロボ
ットのみであったが、どう考えてもオーバースペックの代物であった。
その中でもオメガと呼ばれる対幻獣最終兵器はハジメを唖然とさせる代物であった。
「こんなの、いつ使えって言うのさ!?」
※基本的に無双します。
※ハーレムしません。
※毒舌の女性型アンドロイド出ません。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-05 19:50:19
3546文字
会話率:19%
十数年前のある日、同時多発的にダンジョンが出現した世界。
日本の某所の郵便局で配達勤務する小玉一(こだま・はじめ)は、半ばライフワークと化したスライム漁(?)で重力魔法が刻印された巻物を手に入れ、探索者として本腰を入れはじめる。
この物語は
そんな男の割とゆるめの物語。
※あんまチート押ししません。
※ハーレム無いです。
※ステータス制度無いです(場合によっては出すかも……)
※無茶なスキルありません(例、強奪・コピー・創造魔法・etc)
謎のアナウンスありません。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-04 22:10:08
71632文字
会話率:29%
ホラーではありません。
しかし、突然暗くなることにはご注意ください。
……もしかしたらギャグよりなのかも。
~この話は1話ごとの内容が大体1000~1500文字と短く、サクッと気軽に読める内容になっている……はずであるっ!~
この話は
……このタイトルからは。ほぼ確実に連想できない話になっています。(想像通りだったって人いたらスゲーよ)
また、この話は主人公が幼い子どものため、幼い感じの心理描写、会話が多めです。
良ければあたたかい目で見守ってあげてください。
もし、詳しい話が知りたい場合は『べつしてん』が用意されていきますので、そちらをご覧ください。
──屍さまよう世界にて。
見えぬ道へと迷いこんだ少年たちは。
ある一つの看板を目にする。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お化け屋敷。みなさんも聞いたことはある
でしょう。しかし、それは本当にお化け屋
敷なのでしょうか?
本当のお化け屋敷…気になりませんか?
白夜の候、黒翼の屋敷長があなたをいざな
います…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
……なんて話じゃねぇよ!
もはや!【黒翼の屋敷長】なんて気取ってたころの俺はもういねぇ!
こっちはもうどうしようもない状況なんだ!
余裕はねぇし! 働くやつはいねぇし!
もはや、手段は選んでられねぇ……!
バイト募集だ!
もう、このお化け屋敷にぃ!カァけるしカァ…!
ないんだカァらなぁ!
……これはそんな。
『オバケヤシキ』の復興の話。
今宵も叫び声がこだまする……。
この話には(あの子によれば日曜日の朝番組くらいの)過激、暴力的な表現が含まれています。
基本的にはハートフルストーリーです。
また、『死』に関する単語がよくでてきます。
あらかじめ、ご了承ください。
最後となりますが。
よろしければこの話の評価、感想などをいただければ幸いです。
……『つまらないと感じた場合』は作者に容赦なくクレーム、低評価をたたきつけてやってください。
次回からはその反省点を活かし、改善された話を読むことができるでしょう。
それでは、「オバケヤシキ」の復興までの話をごゆっくり──
……お楽死みください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-07 21:43:34
24589文字
会話率:23%
「こんの、あほじじぃ――――!!」早朝の村に、ビー・ビーの怒声がこだまする。
腰痛の祖父に代わり魔術道具修繕に必要な鉱石を得るため、嫌々ながらも街へ行くはめになったビー・ビー。快く同行を承諾した天然新米教師のマー・エチルス、勝手について
きた幼馴染のグック・シャイナとともに、初めて村を出る。
穏やかな旅路と思いきや、前途多難いきなり魔獣の群れに襲われた。黄金色に輝く魔法銃と炎の短剣が道を切り開く。三人のはじめてのおつかいは、無事成功するのか――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-06 00:44:45
203382文字
会話率:32%
※あらすじです
「殿下への反逆の兆しがあると判明しております」
公爵家の長女として育っていた主人公、ルナの華やかな舞踏会が始まろうとしたとき、一人の密告者の声が、舞踏会の会場にこだました。動揺するルナが反論する間もなく、事態は急速に進
んでいってしまった。なんとか自分への処罰だけで済んだものの、一人、国内の果てで捨てられてしまったルナは途方に暮れている途中、一人の亜人と出会う。
突然現れた彼――ジャンはルナをメイドにすると言い、ルナと反対するメイドを押し切ってルナをメイドに迎え入れてしまう。そんな彼に翻弄されながらも、ルナは慣れない生活に苦戦しながらも、ルナを迎え入れることに反対したメイド、メリッサ。優しい同室先輩メイドのカレンたち仕事仲間と親睦を深めていった。
しかし、ふとした誤解からカレンに寒い冬の倉庫へと閉じ込められてしまう。朦朧としていく意識の中、思い出したのは昔のジャンの姿。そう、ジャンは昔、自分と遊び、再開の約束を結んだジャンだったのだ。再びジャンに命を助けられてしまったルナは、カレンの誤解を解き、引き籠ってしまったジャンを引っ張り出して、再びメイドとしての生活に戻っていくのだった。
少しでも良いと思っていただけたら、ブクマ、感想評価等よろしくお願いします。今後の作品作りの指標にさせていただきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-10 19:00:00
81784文字
会話率:41%
片方が笑いかければ、もう片方も笑う。
誰が先に笑いかけるか。
最終更新:2020-07-09 21:28:25
1189文字
会話率:10%
女の部屋で夢ともまぼろしともつかない影像に目覚めた後で、私は八年前、青森で出会った一人の娘のことを思い出した。娘は壊れ物のように美しい声をしていた。今は東京に勤めに出て来ている娘に、私は三たび会うために赴いたー。
最終更新:2020-06-15 23:39:55
2945文字
会話率:17%
突如、異世界に転生させられてしまった主人公・西見玲人。
あまりに突然のことだったが、夢に見た異世界生活にレイジは心躍らせる。
しかし、そんなレイジに与えられた職業は『ツッコミ勇者』。
そのステータスは、村人よりも低いもので唯一異常な値を示し
たのは、ツッコミ値だけだった。
ツッコミだけでモンスターなど倒せるわけもなくレイジは異世界で農夫になることを決意する。
そんな中、森の中で謎の美少女リリスに出会う。
リリスとの出会いがレイジの運命を大きく変えることになる。
トラブル、災難続きの運命へと。
「こんな異世界生活間違ってるだろ!!!」
今日も、レイジの悲しいツッコミがこだまする。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-15 18:10:21
166053文字
会話率:29%
【あらすじ】
決戦の前、嘗ての幼馴染ユーリとの決闘を終えた戦士ロウは今までの道行きを思い返す。
戦士ロウこと磯山六郎はVRMMO「アビスワールド」で遊んでいた際に、幼馴染と共に異世界に転移した。
それから数か月、幼馴染のユーリは周囲に祭り上
げられ、ロウをないがしろにするようになった。
心をすり潰されていたロウだったが、一人の男に出会う。
レベル1のその男の助言を聞き、手こずるモンスターを一人で倒せたロウは、一人で生きていく自信を取り戻し、ユーリやその取り巻きと袂を分かつ。
ロウは助言をくれたレベル1の男と一緒に旅をすることになったが、彼こそは銃と砲が支配する戦場でもなお刀を振るってきた異世界軍人だったのだ。
交わる筈のない二人が出会い、交流を深めていき、師弟として活動する事になる。
その旅路に加わるのは、征四郎に敗れたために彼を追いまわす邪神の娘ロズワグンやその他の邪神の娘たち。
それにロウに惚れ込むことになる二人の邪神兵、スクトとミールウスの美女コンビ。
欲望都市と呼ばれる魔都を巡り、聖天教と呼ばれる宗教と邪神たちの争いに巻き込まれる最中、征四郎はかつての宿敵がこの世界で暗躍していることを知る。
その宿敵、芦屋唯冬は聖天教を操り、アビスワールドの運営会社の社長を誑し込み、異世界にプレイヤーごと「アビスワールド」を具現化させたのだ。
多くの異世界人の命と接続していたプレイヤーの肉体の死を生贄にして。
恐るべき魔術、妖術の徒である芦屋だが、彼は恐れていた、己を一度殺した征四郎の存在を。
その為に征四郎の姪を勇者として召喚する。
だが、その行為が大きな綻びを産んだことに、芦屋はまだ気づいていなかった。
人の業と欲望、そして野望がこだまする中、強さを求めて戦う青年とその師匠たる男の武と青春の日々。
ここに開幕。
週に一回更新予定
カクヨム、ノベルアップでも投稿しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-29 15:14:30
83654文字
会話率:31%
なんら世間と変わることの無い、幸せな一家だった。
それが幼い娘の死をきっかけにして、段々と、不幸の連鎖に陥っていく。
最初は、幸せな家族の一コマだった。けれどもその幼い娘の死以後、その家族は変わって行った。
父が自殺して、その親子は
路頭に迷う。主人公である守は、初めは屈託の無い、素直な少年だった。
そんな素直な守は、そんな不幸が続いた或る日、引っ越した粗末な貸家を掃除してから、何気なくポケットに手を突っ込み、そして手にしたあった柿の種を、無雑作に放り投げた。
いつしかその種は芽を出し、その場に居着いた。そんな芽を、守はせっせと世話を焼いて、その木を育てていたのだった。
或る日の事。守は得意げにそれを見せようと、母をその場に誘った。けれどもその木を見た途端、母の英子は眉をしかめた。そしてその木を根元から引っこ抜こうとした英子は、突然の心臓発作で死んでしまった。悲しみの中、守は落ち込んだ。
けれども不思議な癒やしの体験の中で、守は立ち直った。
しかしそれは、その柿の木の想いでもあった。
そんな想いの渦中で、守は高校への進学を拒み、小さな部品工場へと就職した。
そして守は人が変わったように無口になった。そんな守は、人からは厭われ、自然に孤独になって言った。
いろいろな職場を転々とした守だったが、その職場では不吉な事件が続いていた。そして今就職している職場でも、それは続いた。
そしてその職場で出会った人々にも、やはり不幸が続いた。その連鎖は守に近寄った人々の間に、その亀裂をもたらし始めた。
日々、どんな人々にも見受けられる、世間との摩擦。しかしその摩擦は時として、不吉な影をもたらす場面がある。
守が人に接した時、それは必ず起きる。
守に取り憑いた魔物は、守を必死で守っていた。
余りにも純粋なその心で・・。
しかしその想いは、時に残酷な仕打ちを見せる。そしてその心は、守の心にも浸透していった。
守に近づく、あらゆる命を遠ざけ、そして滅しようとする、そのあまりに過激な想いと眼差しは、夜叉となって全ての人々を睨んだ。
そしてその想いは凩の如く夜の闇にこだまして、其の眼をじっとその闇に澄ませるのだった。
やがてその想いは、不吉な象徴として、ひっそりとその場に、その滲みを広がせ始めた。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2020-05-22 01:00:00
55665文字
会話率:16%
頭の中でこだまする。
最終更新:2020-05-18 20:00:00
384文字
会話率:0%
フロンティア・ロード・オンライン/フル・ダイブ。
フルダイブ型ゲームの黎明期を越えた頃に現れたMMORPGの一つのこのゲームは、元はディスプレイ型MMORPGを前作に持つ大作RPGである。
前作をやり込んだ大学生の樹神 光(こだま こう)
も当時のゲーム仲間と共に意気揚々とゲームをはじめた一人だった。
しかし初日から光が抱えるある問題で躓くことになり、長年共に過ごした仲間たちと疎遠になってしまう。
それから一年。
かつての仲間と別れた光は新しいキャラクターを作成し、ソロプレイヤーとして日々を過ごしていた。
ゲーム内で名を馳せる事も無く自分のペースで楽しんでいる光であったが、そんなある日初心者のプレイヤーを助けた事により事態は動き出す。
『サンダル事件』。
光のキャラクター名が銘打たれたこの事件により彼は悪い意味で有名になり、更に一年間培ってきたレベルやアイテムなどの殆どを失う事になってしまった。
失意の中、光はキャラクター再作成も考えるも、失って尚手元に残った今までの成果の結晶を見て再起を決める。
例え酷い目に合っても、自身を取り巻く環境が変わろうとも、このゲームが好きと言う気持ちは変わらないのだから。
こうして光のキャラクター『サンダルク』は気分を新たに再びFRO/FDの世界を歩んでいく。
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※本編で書ききれなかった当小説の設定や裏話などをまとめた?ものを下記に置いてあります。
よろしければご一読くださいませ。
https://ncode.syosetu.com/n5409fz/
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-16 08:00:00
62653文字
会話率:21%
ポスティングガールが振り返ったことを短くまとめてみました
最終更新:2020-03-05 21:32:15
695文字
会話率:0%