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　恋よりも尊く、愛よりも純粋で、しかし信頼出来るもの。 　恋人ではなく、夫婦でもなく、友人でもない。 　一度“そこ”を離れれば、二者の間には何もない。 　それは戦場で共に苦しみ、助け合い、生き抜く戦友である。

twitter「フリーワンライ企画＃深夜の真剣文字書き60分」 お題：交じり合う・恋人以上、友達未満 あらすじ：雨の夜に男女が集う。そこで言葉が交わされることはない。

　くたびれた男が倉庫を整理していると、ガラクタの詰まった木箱から一つの玩具を発見した。 　それは昔懐かしのでんでん太鼓だった。 　太鼓の説明書きらしい紙が箱の中に一緒に入っていた。それによると、太鼓は『願い太鼓』というらしい。

SNSで知り合った人との会話は楽しい。 それ以上のものは、認めたくなかった。 Twitterのフリーワンライ企画 第43回に参加した作品です。 お題は【あい】【物語の中だけの存在】【ことだま】です。

　孫は時代劇が好きだった。 　夕方の再放送を見ていて、ふと疑問に思ったことを祖父にぶつけた。 「あれはどういうことなの？」 　祖父はこの孫に蘊蓄を語って聞かせるのが何よりも好きだった。 「うむ、それはな……昔むかしのことよ」

終わりゆく世界で、ひとりの少女が生きていた。 なぜこうなったのか。これからどうなるのか。 Twitterのフリーワンライ企画 第42回に参加した作品です。 お題は【終末の世界で、】と【風の中に息吹】です。

　愛しの彼女に男の影がちらつく。 　そんな不埒な輩を捨て置けぬと容疑者捜しを計るも、一向に目星はつかなかった。 　意を決して彼女に問い質したところ、不可解な一言が返ってくるばかりだった。混乱は益々深まっていった。

フリーワンライ企画参加作品。三月ということでお別れのお話を書きました。教師×生徒ですので、苦手な方はお逃げください。

　彼女はそこにいる。すぐそこに見える。しかし触れることは出来ない。彼女はそこにはいない。 　それは立体映像でしかなく、本物の彼女がいるのは物理的にも時間的にも遙か彼方の地球だった。 　彼は目的地の惑星を前に、彼女との間にある十年間の距離を噛み締めた。

朝の電車でよく一緒になる寒がりな二人の話。 第39回フリーワンライ「冷たい指」 180°の白と黒(http://180bandw.topaz.ne.jp/)掲載作品

思いついた勢いのままに書きあげたもの フリーワンライ企画の過去お題をタイトルにお借りしました。

2月20日のtwitterフリーワンライ企画に投稿したものになります。 困ったときの艦魂小説！

物語を書く僕は、行き詰まる。そして、あの夏の日々のような夢を見た。（第37回フリーワンライ参加作品。テーマ「夢のまた夢」。自作品『羊を数えて、目を覚ます。』（http://ncode.syosetu.com/n3064cf/）のスピンオフ短編。単品でも読めると思います。）

Twitterでのフリーワンライに参加いたしました。 使用お題は「魚と星空」「さらさら」です。

　右は左、上は下。前は後ろ。 　空は足下で、海が頭上にある。 　時間は進まずに戻り、人々は「こんにちは」と言って別れる。 　鏡像世界では上下左右だけでなく、全てが現実の正反対になっていた。

【登場人物】木村光輝(キムラ　コウキ)／清水若菜(シミズ　ワカナ)／礼香(レイカ) 挨拶だけでよかった恋。知ってもらうだけでよかった恋。 第35回フリーワンライ（お題：泣いたことさえ嘘にした）に出そうとして間に合わなかった作品。 180°の白と黒(http://180bandw.topaz.ne.jp/)掲載作品

　惑星間航行船の重要区画、バイオ・プラント。 　クルーを代表する三人が、船員の命運を決すると言っても過言ではない決断をしようとしていた。 　しかし彼らは未だに迷っていた。 　これが正しいことなのか。より良い方策はないのか。 　決断の時は迫っていた。

【登場人物】麻央(マオ)／圭吾(ケイゴ) モヤモヤを抱える少女の上手くいかない一日。 第36回フリーワンライ「爪を深く切りすぎた」 180°の白と黒(http://180bandw.topaz.ne.jp/)掲載作品

「私」は死の淵に立っていた。 　今更生に執着はなかったが、気がかりなのはずっと寄り添ってくれている猫のことだった。 　果たして猫は、「私」の死を悲しんでくれるだろうかと。

【登場人物】 浩二(コウジ)／美沙(ミサ) 幼馴染を好きな少年と、失恋したての少女の話。 第34回フリーワンライ「ココアはきっと甘いだろうよ」 180°の白と黒(http://180bandw.topaz.ne.jp/)掲載作品

　彼は教会の鐘を聞きながら、聖堂の奥で彼女を待っていた。 　真っ赤な絨毯とは対照的な、純白のドレスを着た彼女がゆっくりと歩いてくる。 　彼女が一歩進むごとに、幸福に近付いていく。 　レイザーにとっての幸せ。 　ロージーにとっての幸せ。 　二人は今日、結婚する。

　宮ヶ瀬アキラは延々と続く説教にうんざりとしていた。先輩の徳山マサトは悪い人ではないのだが、妙に理屈屋で何かの拍子にこうなる。 　今はただ、先輩の懐疑主義の講釈が、自分への懐疑に変化してくれることを祈りながら、黒部ミサとともにスローに過ぎる時間を耐えるしかなかった。

　拓真は今日もまた犬に引かれて、あの場所に行く。 　シロはそこに着くと必ず吠えた。ワンワン。地面を前足で指して、必死にアピールした。 　昨日もそうだった。今日も。たぶん明日も。

ツイッターのフリーワンライ企画(＠freedom_1write)への投稿作品です。 お題、「明け方の街」を使わせていただきました。

　彼はただただ逃げ惑っていた。 　次々と端末を乗り換えて、延々と追跡してくる「追っ手」に対して、他に打つ手などなかった。 （後、四十分！） 　しかし、タイムリミットまで逃げ切ることが出来れば、まだ目はあった。

「ずっと、僕と一緒にいてよ、セレス」 　■第12回フリーワンライ企画で書いたダイジェスト風味の短編を、どうにかこうにか何とかしたつもりの産物です。

　宇宙は約138億年前に誕生したとされている。 　しかし、その宇宙についてあまりに無知である。 　その起源は、行く末は、果たしてどうなるのか。

　旅館。 　妙に惹かれる響き。何かを期待せずにはおれないような。 　温泉。それも混浴。 　紛れもなく浪漫だろう。口当たりの良い言い訳とは裏腹な期待ばかりが募るが。 　男は今、混浴温泉露天風呂を目指していた。

【登場人物】弘樹(ヒロキ)／直子(ナオコ) 冬とピアノと兄妹の話。 第28回フリーワンライ（お題：古びた楽器) 180°の白と黒(http://180bandw.topaz.ne.jp/)掲載作品

　額から流れ出る血が、視界を汚している。 　彼は最早力尽きる寸前だった。 　だが、まだ死ねない。友の仇を討つまでは。 　決意を胸に、ガバメントのグリップを握りしめた。

　独裁国家の将軍は日々、軍事介入やクーデターの可能性に悩まされていた。 　限られた戦力を効果的に使う方法が何かないかと。 　もしもそれを、天気予報のように知ることが出来たなら。

　10月31日。ベスの誕生日前日だった。 　その日はハロウィンだったが、三十代を目前に控えた彼女には、楽しむ余裕などなかった。 　それでも、お菓子を求めて子どもはやって来る。 　呼び鈴を聞いた彼女は、憂さ晴らしに子どもへ意地悪してやることに決めた。

「伝令！」 　その日、王城を一つの報せが駆け巡った。 「我、魔王討伐せり！」 　それは遠い異国の地で、魔王討伐に出ていた勇者一行からの報せだった。 　その報せに国中が湧いた。 　勇者万歳！ 　英雄を迎える盛大なパレードを行おう！

フリーワンライ企画　お題・独り歩きの影

　世界に変革をもたらす世紀の大発明が成功した。 “私”の“私”による“私”のための説明がこれから行われる。

フリーワンライ企画　使用お題・見えない鎖、ダブルキャスト、造花の花束

僕は幼馴染のハナをどう思っているのだろう。この衝動の理由はどこにあるのだろう。（第20回フリーワンライ参加作品。使用お題：探す　執筆時間：50分）

　最初は虚無だった。 　次に「それ」が在った。 　そして全てが始まった。 　超軽薄短小スペクタクル創世神話。

　取り立てて長所のないミノルは、学校ではあまり目立たない存在だった。 　大人しいのをいいことに、上級生からからかわれることもあった――それはいじめとまではいかないまでも、煩わしくはあった。 　ある日、事故を目撃したミノルは、それを止められたのではないかと煩悶する。どうやっても手遅れで、考えたところでどうしようもないのに。 　ミノルは考えを振り払うためにテレビや携帯電話をいじるが、そうしてるうちに、思いもかけず“自分へ向けて”電話をかけてしまう。 　自分の携帯電話から、自分の電話番号に向けてかける。 『……もしもし？』 　繋がった相手は『ミノル』自身だった。折りたたむ>>続きをよむ

2014年9月20日　フリーワンライ企画様　お題：世界は輝いた

私はただ星を見上げる。それは、私にとって世界を感じる時間だ。（第19回フリーワンライ参加作品。使用お題：世界は輝いた　執筆時間：20分）

　ルード・ニーは魔術士の落ちこぼれだった。 　魔術に見切りをつけて別の道に進むが、意外なところで落第印を押されたそれが役に立ち、生活していた。 　そんな彼と、彼の住む街を理不尽な暴威が襲う。 　天を舞い、地上を統べるドラゴンに人の身で抗う術はない。

　マグナスの故郷は謎の気候変動によって雪に閉ざされてしまった。 　恐らくそれは季候を司る神の気まぐれであり、村を救うためには、誰かが犠牲になって神の試練を受け入れ、赦しを請うしかない。 　村の人々を、何よりも幼なじみを救うため、決意を胸にマグナスは山の神の住居を訪れる。

死にたがりの王様と、彼に嫁いだ王妃の悲恋。第17回フリーワンライ企画参加作品。

フリーワンライにて書いた短文２編。 1：淑女と青年による約束代行 2：とある病の青年と軍人の再会 …短過ぎてあらすじを書くと早々のネタばらしになってしまいますが、この様なお話です。 ※２の方は本当に極軽い物ですがBL要素・グロ要素を匂わせる物がありますのでお気をつけ下さい。 この作品はツイッター・pixivにて一時的に投稿しておりました。(なおpixivの方は現在下げております）

フリーワンライ企画さんからお題をお借りしました。 お題から小説を６０分で書き上げる企画です。が、時間内で完成しなかったので３時間くらいかけて書きました。 お題「炎天下のはしっこ・麦わら帽子・海辺・星・泣いてしまえ」

　広大な砂漠の中をひたすらに歩き続けている。 　自分が誰なのか、どこから来て、どこへ行くのか、まったくわからなかった。 　この道の先に何があるのかも……

　あの遠い日の出来事からどれだけの時間が過ぎたことだろうか。 　かすかな記憶と、確かな感情。 　あの時に交わした些細な約束が、今、ようやく果たされる。

Twitter企画　フリーワンライ提出作品。 お題は忠誠心と屋上。 夢魔×警備員シリーズ第二弾　R指定じゃないですが、なんとなくBLぽい 諸事情により悪魔さんのお名前を変更。

　待ちに待った新月の夜。 　その日は都合良く、星明かり一つなかった。 　閉じた箱庭から彼女が抜け出すには、絶好の機会だった。