-タマネギ- 小説家になろう 更新情報検索 - 新着順 -

今は夏なんだから、と、あれこれ思ってみた。そうそう、珍しいことも浮かばなかった。夏なんだから、羽目を外すということも、もうないかもしれない。そんなふうに思う自分が、悲しかった。

色々な事情があって、七月の終わりによく行った。事実がありながらも、そんな記憶を持っているのは、自分だけになった。こうして、人生は通り過ぎるのだと、今更ながらに思う。

どうしても、叶わないこともある。揺れるものは揺れ、動かないものは動かない。それに、若くはない。生まれ変わったらと、時々、思うようになった。

夏の暑さに自分が何を思うのか、ふとわからなくなる。この現実を受けとめて、思いとは裏腹でも受けとめて、いつか会いたい人にあえるようになることを、夢に見る。夏の間の現実は、夏がくれた現実、それを夏実と呼んでみた。

微睡む時間を大切にしようと思う。自然に生まれる考えも大切にしようと思う。後悔も大切にしようと思う。それが自分だと、思う。たとえば、八月への思いにしても。

祝日にいつのまにか変わっていて、あっそうかと、戸惑いながら、静かな道路に立っていると、子供の頃の夏休みを思い出した。あのときも、蝉は鳴いていた。社会にもあのときはあっただろうに。忙しいひとが朝から仕事にゆく。

あまりにも多いから、うんざりしていた。見直せば気がつくはずだが。きっと、見直してなんかいない。注意力散漫、心ここにあらずのあの人。

若い頃のことはあれこれあるけれど、そこまで、何かを続けたことはなかったなと、感心していた。追いつけないもどかしさ。寝不足のせいで、欠伸が出た。

毎日の出来事を受け留めてゆく。目標のために。人には目標が必要なのだ。決めないと、良からぬ想いが目標にすり替わる。本人も気がつかないうちに。若いときなら尚更に。

毎日には、たぶん、色々な暮らしがあった。その中のたった一つを、繰り返している。生きたいから。

安心して住めること、というのは、木陰にある命になることではなかろうか。必要なものが揃えば安堵なのかというと、そうではないと、子供の頃から思ってきた。ひっそりした感覚を書くことで、自分が何を求めているのかを感じられた。

必要なだけを、ずっと守り続けたなら、豊かな地球は保たれてきたかもしれない。そんなにたくさんいらないと、また思う。何度も思っては来たけれど。余分に収穫したものが、配られることもなく、一人の道楽の飛行機に変わっていたりする、と言えば言い過ぎだろうか。

何をしていても、自分はこう感じている、あの人はこう感じたんじゃないかと、思う。国や時代が違えば、当たり前に感じることも変わるのだろうし、感じることをわかり易く書くことは、自分にもできる、数少ないことだと思う。

「秘密が漏れておる」突然マンシュタインは、ツィタデル作戦の練り直しをヒトラーから命ぜられる。奇策を案出したマンシュタインだったが、偶然は偶然を呼び、東部戦線の真っただ中に投げ出された総統をめぐって「タマネギ畑でつかまえて」状態に…… 　別作品「死あふるる中に」の憲兵コンビが登場します。ストーリー上ほとんど影響はありませんが、下士官なのにマンシュタインと面識があるのは、前作の事件のせいです。今回は推理小説要素はありません。

糊空木に感じることは、たぶんどこかで自分に感じてくれていることだと思う。生きている以上は、無理な宇宙を前に進むことは避けられない。ああ、そのために人は、どこかロマンティックなのか。

せめてこれだけでもと、そう思いながらの一日がある。暑いし、苦しいし、わからないしで。

書くことをめちゃくちゃに潰したくなった。自分の細胞をバラバラにして、もう一度作り直したら、それは、新しい自分にならないか。しばらくは、それを考えていそうだ。

谷川の谷を思いながら、あなたの谷を思いながら、もう今のうちから、死んでゆくときのことを思う。谷を思う。

蒸し暑い朝に出会うと、夏よ、早く来いと思う。あの子供の頃の、キラキラした風と水のきらめきが、こんな年になっても、宝物のようで。それはつまり、ずっと、あの日の子供ってことで。

人生にレシピはあるのかと、考えた。あるとしたら、どう書かれているんだろう。蒸し暑い夜だな。一歩一歩、歩いて、坂を登って、家に帰るところ。

無くしてからわかるというのは、よくある言葉だから、きっと世界の人々は、無くしてばかりなんだろう。特に家族を無くすのは、ほんとうに苦しい。

何かが落ちたとき、驚きながらも、あれかもしれないと、考えもする。雨の中、ドサッつと、音がしたら、人の気持ちが落ちたの。

目覚めたときの雨の音は、何度も聞いたことのある音なのに、何故か自分の音のように聞こえた。流れてゆく姿、消えてゆく姿が見えた。桑の実の黒さが記憶に焼き付いている。桑の実だけが現実で、自分自身は、幻想かもしれない。

そろそろ明日だな、と思っているのは、あの頃も今も変わらない。たぷん、ずっと変わらないかな。一日一日だから。

同じ月を見ていることって、なんとなく、嬉しい。昔の人の気持ちになったりして。そういうことは、恋の話として、あるからね。

下り坂は楽だけど、その分、あとでしんどいことになる。坂道の下のコンビニに、わざわざ行きたくはなくて。上り坂をのぽれば、何が見えるだろうと、子供みたいに眠れなくなりたい。生きている間。

時に埋もれてゆくなら、そこから芽を出して、少しずつの命や感情の、思いをとげたい。体が動かなくて、前のめりでいたい。

雲間の日の光の下で、今日も暮らしていた。何が変わっているわけでもないのに、色とりどりの管が見えた。ものすごい数に見えてきたとき、怖くなって目を閉じた。

知らない、と、知れない、とは、意味が違う。 この世界を思うとき、知れない、とするほうが 、合っている気がした。あなたの過去は、知ろうとしても、知りたいと思っても、知れないのだ。哀しくなるけど、ならないようにしたい。どうしたらいいのか。

疲れた。電車に乗って、明日を目指す。機能しなくなることの怖さは、関わる当事者にしかわからないのだろう。自分は大丈夫と、いつもどこかで思っているけれど。

川の辺りにいた。自分がどうあろうと、流れていた。足元の蟻、酒を飲む人々、何もかもが選ばれている。その間を、川は流れていた。自分ですべてをなせるとは、間違っても、思わないほうがいいと。もし、いつのまにか、思っていたら、川を思い出せますように。

すべての若い人に伝えたいことと、とある若い人に伝えたいことと、混沌とした気持ちのまま、一日を過ごした。会いたいよというのは、その人会いたいもあるし、若い時代の自分に会いたいもある。

仕事だから、しょうがないと思いながらも、早く落ち着かせるためには、全員が動かないほうがいいに決まっている。好きな人のために、がんばる、シンプルに、人類が皆、思えたらいいのに。今日も暑かった。

これほど何も無かったように感じるものとは、思っていなかった。時間さえ無かったように思う。そうでなければ、自分が破裂することもわかる。溶けきれない出来事を一つ話した。

何をしたわけではなく、半分眠っているような夕方だった。元来、ぼんやりしているので、とらえどころのない日々。この感覚でも、誰かの何かを持てればいいなぁ。生きてる間に、どうにか、役には立ちたいから。

周りがそうだから、そうする。思えば、そうだから、ばかりで生きてきた。ほんとに何を求めているのか、ほんとに誰を求めているのか、わからなかったし、わからないものだと思っていた。今更ながら、悔いている。戻らぬ時間とこれからの時間。自分の心を救ってゆきたい。

ずっと思い続ける、それは心ごと、ということ。出逢いのなかの、ほんの少しのこと。どうして、そんなことが起こるのだろう。淋しいし、辛いのに。

朝に通る裏道に、蛍袋が咲いた。毎年この時期に、いつの間にか咲く。山野草の強さと儚げな美しさに惹かれる。神社の側の林。神様の御使いのように見える。

蛙の声が聞こえてきた。もう夏の気配。時も夜も空も、あらゆるものが巡っている。苦しい、辛い、怖い、痛い、不安がつきない。それも巡っている。それも感じて、よくよく生きる。

眠るときは、良いことを思って眠る方がいい。皆、晴れ晴れとした姿を思い描いて。ふかふかのベッドは苦手だ。体が痛くて、痛いことしか思えない。

唐辛子にしても、玉蜀黍にしても、あれほど個性のある草木があることと、自分の止まらない嫉妬と、何故かしら、この宇宙があることは、朽ちて、その先に、神様のようになるためかと感じた。それはそれとして。

帰りたいところに帰りたい、そう思うときに、体が生ぬるくなるのです。

詩を思えば、自分で書いたとは思えないことの方が多くなった。いつのまに離れていったのか、自分が離れたのか。寂しさはあるけれど、それでいいとも思っている。

人の悩み事をざっくり言えば、人間関係と経済関係だという。それはそうだろうけれど、感動関係も同じくらい大切なんじゃないだろうか。馬鹿馬鹿しいだろうか。答えはないけれど。

五月になると、暑い日もあり、夏の気配もあり、実りの秋に向けての、営みが始まる。 人間も、五月になると、五月病をぬけて、梅雨空を見上げて、実りある人生に向けての、物語を始める。

雨が上がり、具合も落ち着いて、あの朝方の音を思った。何かに追い立てられるようで、あれは雨の音だったか。誰もいなくなるような夢を見た気がする。手を伸ばした気がする。

家族の有り様を思うと、悔いのほうが勝る。それだけかもしれない。過ぎたことは戻らないのに、何故、考えるのだろう。その、理由もさらにわからない。人の人生は、何故、こんなにも 違うのか。誰か、いつか、教えてほしい。

謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 名優の死が胸に刺さります。どこかで、憧れていたんだと思います。人それぞれ、何かをあると思います。そういうこと。一生は短い。大事にしてほしい、してください。

梅雨の日のことは、今でも覚えている。あなたといたあの頃は、雨が綺麗だった。

いつまでも、いつまでも、無いものねだりの繰り返し。諦めて閉されて、難度でも、諦めないで進むこと。それたけが、無いものねだりの心を、入れ替える術に思う。