双子の勇者がいた。彼らは勇者の血を引いていたが、その力が半分しか受け継がれず、兄は魔王を倒すために必殺技を使い、命を燃やして石化してしまった。砂となった兄に弟は慟哭した。
弟は兄の砂を集めて袋にしまった。
兄の訃報は国中に広がり、彼の帰りを待っていた者たちは静かに涙を流した。
兄の思いを胸に弟は、その後も仲間と共に生きていく。家族を持ち、十年後。
日本人だった前世の記憶を持つ技術者が弟に話しかけてきた。
「お前の兄貴と話ができるかもしれん」
「話が……?」
「兄貴が転生し
ていたら無理だけどな。どうする? やるか? 魂の声を聞くためには、お前が後生大事に抱えている兄貴の砂が必要になるぞ」
弟は技術者の条件に頷き、兄と再会できるか分からないまま、天界への扉を開けるために単身、旅立った。
※おにぎりはポーションです。
※『俺の兄貴は勇者。だけど必殺技をだすときに「俺はブラコンだあああ!」と言うのは、泣くからやめてほしい。』のその後のお話『ブラコン元勇者は、妻と兄貴に「ありがとう」と言えた』を改稿したものです。
※不定期更新です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-23 08:22:04
61659文字
会話率:23%
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「俺の兄貴は勇者。だけど必殺技をだすときに「俺はブラコンだあああ!」と言うのは、泣くからやめてほしい。」の前。
兄貴が必殺技をだす前の魔王戦の話です。
弟が限界まで戦ったところが見たいと言ってくださった方がいましたので、書いたものです。
【簡単な説明】
日本人転生者がいるRPGゲーム風世界で戦う双子の勇者の話。勇者たちは転生者ではありません。
パーティメンバーは、弟勇者、聖女、魔術師、兄勇者、読書家女子。キャラ名はありません。
最終更新:2021-03-23 12:06:16
14445文字
会話率:17%
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