堤中納言物語の一篇、「貝合」からイメージを膨らませてみました。
美しいお姫さまと、名家の貴公子が織り成す目くるめく恋物語――
と見せかけて、美女ながら謎多き姫君と、姫君を取り巻く賑やかな面々に、名家の御曹司ながらヘタレな青年が振り回される平安伝奇物語。
――になる予定です。
※不定期更新です。
※冒頭部分はほぼ原文の現代語訳になっておりますが、多々改変・挿入箇所がございますので、くれぐれも宿題などのご参考にはされませぬよう。
※本作はアルファポリスにも掲載しております。
最終更新:2020-12-13 16:42:54
62358文字
会話率:56%
IN:0pt OUT:67pt
妹様の才知を妬む『鬼』の仕業で御座います
そう教えてくれた。対処法を出せといえば、今は御心を癒やすようにとだけ、そう言い置き帰って行った。
くそぉ……あの陰陽師に坊主!大枚叩いたというのに、どいつもこいつも役に立たんわ!
歳月の速さに少しばかり切なくなる。妹は、すっかりやつれて戻ってきた。それからは誰一人にも文も出さず、気晴らしの管弦の宴を催しても顔を出さす、貝合わせを、香合わせと誘いをかけても、御簾の奥から出てこない。鬱々と沈む様にぼんやり日々を過ごしている。
どうしてこうなった!
妹かわいい!のお兄さんがぼやいております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-24 19:00:00
8149文字
会話率:34%
IN:0pt OUT:100pt