「--ああ、また囚われた」
ロウシン・バーンウィッスルは、冒険者である。高名ではなく、むしろその逆。最低ランクで、しかも所謂落ちこぼれ冒険者である。そんな彼は、異様なほどに何かに囚われる。ある時は盗賊団に囚われ、またある時はモンスターに囚われ。どこぞの国の姫や王子ならまだしも、そんな身分でないにも関わらず。
……囚虜の末路は大抵悲惨なものだ。生きていることに利用価値があるならまだしも、そうでないなら死んでもおかしくない。囚われたことは数知れずのロウシンは、だがーー死んでいない
。そんな彼の存在は、裏の世界の中でこう噂されていた。最強の囚虜、囚虜の王ーー即ち、囚虜王、と。……なお、噂になってることを本人はまだ知らない模様。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-03 07:00:00
36627文字
会話率:23%
IN:0pt OUT:29pt
眠れない病と複数の人格を持つ西宮ナツは、高校二年生の冬、薬を抜いた代償に更なる危険な症状を抱えていた。そんな折、誰にも見せられなくなった歪んだ顔を同級生でモデルである美少女・東宮ハルに見られてしまう。話をしたこともないハルはナツを無理矢理保健室に運び、あまつさえナツのことを「好き」だと告白する。彼女はナツの複数人格現象について見識を持ちナツを一時助けるが、「お父さんを探してほしい」という訴えをして意識を失う。一人で生きていく覚悟を持っていたナツはハルを通じ、自分は一人ではな
いのだと気づき始める。彼女たちの想いは不思議な現象の中交差していき――……。
*この作品はPixiv・Twitterなどにも掲載する予定です。(一部抜粋を含む)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-13 18:58:02
19093文字
会話率:53%
IN:0pt OUT:6pt