殺人未遂の事件を起こし、その最中に死ぬ主人公。
目が覚めれば姿は人外へと変わり、暴力と無法の真っただ中にいた……
ダメダメ主人公は心を失った少女「操金術師」マリースと出会い、一緒に心を探す旅へ。
襲い掛かる数々の魔剣と困難。
そして魔剣を手に入れた時、世の不条理を知る。
数々の苦難を乗り越えて少しずつ成長していく主人公と3人の少女たち。
そして3姉妹の出会いは、やがて大陸を2分する戦争への序曲となる。
一匹と3姉妹で繰り広げられるヒューマン(?)ドラマ、
人外異世界転生+チャンバラのハイファンタジー。
*****
<主な登場人物>(これだけ覚えてたら大体OK)
ダルマ … 偉大なる獅子族。だから獅子族ってなんだよ! <魔法>無し!
マリース … 心を失った少女。影が薄いけどヒロイン! <魔法>操金術
ミルドレイズ … 脳筋巨乳女剣士。通称「ミルミル」、と呼ぶと怒り出す <魔法>魔使石使い
ミサキ … 商人の頂点を目指す家出娘 <魔法>カバンの魔法
<こんな人にオススメします>
・オリジナルの箱庭世界が好きな人
・じっくりと読みたい人
・俺TUEEE小説を読んでると何故か寝てしまう人
・テンプレ小説に飽きた人
※Twitterにて更新情報たぶんアップ
https://twitter.com/hakufukan1折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-01 21:00:00
175954文字
会話率:27%
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久しぶりに日比谷線に乗った。乗った途端に異臭が鼻をつく。温泉でよくあるような、硫黄の臭いだ。何故電車の中で硫黄の臭いがするのかわからない。それもかなり強い。
臭いの元をなんとなく探しながら周囲を見回すと、空席があった。疲れてはいなかったが、腰を下ろす。そうして、乗客たちの観察を始めた。いつもの暇つぶしで、スマホばかり眺めているのより随分面白い。
口元を隠して熱心に話し込む年配の女性や、じっと広告を見つめている男性、それになんだか嬉しそうにニヤニヤと笑いながらスマホを見つ
めている若者――電車の中には、本当に色々な人がいる。
そのうちに、いつの間にか目の前の座席に座った女性に眼がとまった。三十代後半くらいだろうか、ぬらりと長い首をしていて、何が目を引くかというと、丸く見開かれてそれでいて虚ろな目をしている。目の下にはどす黒い隈ができていて、年の割に深い皺がある。とにかく目が目立つのだが、それでいてひどく虚ろな目をしている。
疲れ切った雰囲気はもとより、生きているのか怪しく思えるような生気のなさだった。そんな具合で、彼女は目を見開いたまま、まるで死後硬直でもしたように微動だにしない。目を虚ろに見開いたまま、じいっと同じ方向を見つめている。その先を確認する勇気はなかった。もし彼女がこの世のものではないものを見つめていたら、それがもし自分にも見えたら、それから自分はどうすればいいのかわからない。自分は、一体どうなってしまうのか。
引き剥がすように目をそらしても、目を瞑るごとに彼女の首はぬうと長く伸びて、目はぎょろりとして大きくなっていく。それはどんどん拡張していって、まるで魚眼レンズで眺めているように奇妙に変形して見える。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-10 16:00:00
1491文字
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