中学時代、俺を「恋愛マスター」と呼ばせた特技があった。
それはクラスに1ヶ月いれば、誰が誰を好きか100%わかるというものだ。
クラス内しかわからないため、クラスメート全員の好きな人がわかるわけではない。
しかし中学1年生の時は半分ほどの好きな人がわかった。どうやら同じクラスの子を好きになることが多いらしい。
もちろんこの特技、いや超能力(なんかかっこいいから超能力と呼ぶ)で俺は俺の彼女(元カノ)に100%フラれない告白を成し遂げたし、両思いなのに気づいていない友達2人をくっつけたりもした。ついたあだ名が「恋愛マスター」
しかしこの超能力「I can see love」(なんかかっこいいからこう呼ぶ)はあまりにも危険なため一部の人しか、それも信頼できる人しか教えないようにしている。
そう、恋愛というのは人間関係を崩しかねない。
そして迎えた高校生活。同じ中学校の友達は1人としておらず、不安ながらも新たな学生生活に胸を膨らませた。
高校生活にも慣れだした5月、つまりこのクラスに1ヶ月の時が流れた時である。
「I can see love」が発動し、
クラスのマドンナ的存在と言ってもいいあの子が、俺のことを好きなことがわかった。
俺は100%うまくいくであろう告白をしたはずだった。
「ごめんなさい、私は好きじゃないです。」
俺はこの日から
超能力「I can see love」が使えなくなっていた。
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