男は玉座を掛けた戦いに勝ち、権力を手に入れ、遥かな高みを臨む存在になるために「悪」と契約をした。その代償として「花嫁を捧げる」と約束をして。そして男は絶大な力を手に入れ、戦争で勝利を治める――はずだった。
結果として男は戦争に敗れて死に、契約だけが生き残った。やがて生贄の花嫁となる赤子が誕生する。己の運命の結末も知らぬ間に。
ヘタレヒーローとマイペースに突き進むお姫様の不器用な交流物語。
これは「悪」と呼ばれる存在と交流する者たちの、語られることのない日常のお伽噺。
最終更新:2020-04-03 12:00:00
8958文字
会話率:45%
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