「もうすぐ、お祭りがある。家に帰らなきゃ」認知症で入院中の祖母が毎日のように言う。肝心の村は、もうないのに。
地震と大雨で、村人たちは皆、そこを捨ててしまった。
優香は、その事実を祖母に伝える事が出来なくて、うんざりと毎日を過ごしていた。おまけに、変な夢まで見るようになる始末だ。
夢の中で、祭を待ち望む「何か」。それに導かれるように、優香はルームシェアの武司と共に消えた村を訪れる。
そして、祭の日……。
最終更新:2010-08-07 17:00:00
8000文字
会話率:32%
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