『触れた相手に幻を見せる』。そんな魔法しか使えない俺(男)は、パーティーのサポートに徹するという道を選んだ。
魔物への妨害、同士討ちの誘発、仲間を対象にした視覚補助……できることはなんでもやってきた。
そんな中、唐突に俺を呼び出し嘲り罵った仲間達は、最後にパーティーからの追放を宣言する。
自分がこれまでやってきた努力は誰からも認められていなかった。そう悟った俺は後ろ指を指されながらパーティーをあとにする。
『これからはもっと自由に、自分のために生きていく』と決意しながら。
一方、元仲間たちは徐々に違和感を膨らませていく。
なにやら魔法がうまく使えないそうだ。俺を追放したあの瞬間から。
(ネタバレ防止のため一部本編と食い違う記載があります)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-01 10:25:18
123688文字
会話率:24%
IN:0pt OUT:73pt
人が、幻想術《ロンギファイ》と呼ばれる神秘を操る世界。
世界に唯一残された未知の眠る大樹の残骸『キャンバス』に形成された環樹都市パライオン。
そこに拠点を置く、『関わったら最後、誰もが己の真の願いと向き合う羽目になる』そんな噂で名の知れた願い屋シーカーは、とことん胡散臭く、それでいて腕は確かな便利屋だった。
そんなシーカーのサボり魔レイバンと、彼に振り回される新人のリオナは、とある依頼の折にパライオンの一大勢力の一つ、悠久院の長から片翼の少女を探して欲しいという
高額報酬の依頼を受ける。
ところがよくよく読めば人相書は不備だらけ、依頼人も何かを隠している様子で、終いには彼らをつけ狙う刺客まで現れる始末。
それに加え、パライオンに現れ始めた正体不明の化け物に、その影に見え隠れする不穏な動きも——
誰もが夢を追い求める巨大都市で巻き起こる、数多の騒乱。幻想と願いに彩られたファンタジーが今、ここに幕を開ける。
「絶対割高ですって! なんでこんなの受けたんですか!」
「いやぁ……だって楽そうだったし」
※低頻度不定期投稿
※予告なく加筆・修正を行う場合がありますがご了承下さい。
※他サイトにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-04 18:00:00
19789文字
会話率:63%
IN:0pt OUT:95pt
この世界の人類は、二つに分かれている。それは、だれもが同じ区分をするくらい、絶対的なものだ。
――「魔術師」か、「咎人」か。
それだけだ。
人口の八割を占める魔術師は、魔術ではない異能を行使する咎人を迫害する。
咎人は、戦う気などなかった。
だが魔術師はただ、咎人というだけで「処分」するのである。
人類の平穏を脅かしている《怪物》が定期的に出現するといわれる場所に、彼らを送り込むことで。
それは、ただ「迫害」するだけでなく、《怪物》を生み出す何かを倒すためのものでもあった。
そんな中、一人の咎人の少年が自らの意志でその場所に向かう。
《狂戦士》という異能を体に刻まれた少年は、その「マスター」を求めてその場所に向かう。
その場所の名を、「終末の塔」と呼ぶ。
誰が呼び始めたかは知らないし、いつからあるかもわからない。
それに、「迫害」自体も、記録が残っていない。
だが、その少年は確信している。
自分の「マスター」となるべき自分と同じ「咎人」がそこにいるということを。
たとえ未来に悲劇が待っていようとも、もう誰もそれを変えることはできない。
すべては、あの術式から始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-01-01 21:40:01
5421文字
会話率:23%
IN:0pt OUT:57pt