-宵楢萎茶菓- 小説家になろう 更新情報検索 - 新着順 -

九JACKの抱負。 私は必ず戻ってくる。

ボクはペンネグラタン。 みんな、楽しんでってね!

私は、宵楢萎茶菓と申します。 少しばかり、私語りを聞いてくだされば、嬉しいです。

僕は香久山ルイ。九JACKファミリーの新参者。 これは僕から他のファミリーへのメッセージ。

雨の日短編が思ったより長くなったので連載版。 元々短編なので、前書きに各話のあらすじを転載しました。21話以降はオリジナルですが、20話までは短編シリーズと同じなので、読み飛ばしてもOKです。

あの子とあの人を見つけることができたけれど、

まあ、タイトルの人に限らず、多くの方々に読んでいただければ幸いです。

シャッター街の屋根よりも、 小さく集った傘よりも、 今日見たどんな雨宿りよりもしっかりとした屋根の下なのに。 なんでだろうな。 今日一番で、寒いんだ。

うっわぁ、雷まで鳴り出したよ。お兄ちゃんまだかな? って、あれ? お兄ちゃん!?

ドアの向こうは、 いつもの教室と同じで 非日常じみた日常が広がっていた。

稲光が刹那に映し出した光景にぼくは、おれは、いてもたってもいられなくなった。

僕は渡された傘を開いてみた。 [友達]に借りた何の変哲もない蝙蝠傘。 今まで嫌い続けた傘を僕は[友達]の一言で開いた。 案外、悪くないかも。

さて、なんか今スマホニュースで見たら、雷注意法も出てきたみたいだから、もちっとまともなところに避難するか。

あ、あああ……あああああああああああああああああっ!!!!

帰ってきたお姉ちゃんは、おかしかった。 稲妻がかっと、わたしたちを照らした。

雨に濡れて、すっかり湿っちゃったジャージ。 でも不思議だよね。まだあの人の体温を感じられる気がするんだ。

わ、あなたもいらしたんですか。相変わらず、雨の日に傘を差さないんですね。 あはは、お互い様ですか。確かに。 あ、れ? そちらの方は……?

やあ。どうしたの? そんなびしょ濡れで。 ははは! 確かにお互い様だ。僕もこんなんだからね。 じゃ、びしょ濡れ仲間ってことでちょっと咄でもしようよ。

あたし、本当に嫌になっちゃうよ。 親切のつもりでやったのがあの子にとっては迷惑で、きっぱり言い当てられて…… でも心配だ…… どうすればいいんだろう?

傘を開いて被ったらむしろびしょ濡れになったんだが……あの馬鹿、一体傘をどう使ってたんだ。 あー、やっぱり帰りたくない。ちょっとそこの路地裏で一休みでもするか。 って、あれ? お前、何してんの?

ああ、見慣れた我が家のドアが見えてきたよ。 あいつは傘を被らなかったから、私は意地でも被り続けてやろう。 そう思って、傘を閉じながら、「おかえり」って降りてきた妹に応えた。

いつも、考えるんだ。オレはどうして生まれてきたのか。オレはどうして生きているのか。 誰もいなくて、人目を気にしなくていい放課後のがらんとした教室で、答えなんて描いてくれない黒板を見ながらひたすらに考えていると、 やたら五月蝿い雨が、降ってきた。

山の中にあるわたしのお家。 お家の中でぼうっとしてると、とんとんと何かが窓をノックした。 あの子かな? って少しうきうきしながら窓を見たら、ただの雨だった。残念。 あれ、でも、段々強くなってきたなぁ。 お姉ちゃんは傘持ってたから大丈夫だろうけど、傘を差さないお姉ちゃんのお友達や、傘を持っている様子のなかったフードのあの子は、大丈夫かな?

ざーっ うおっ、随分勢いよく降ってきたな。なんだよ、今日晴れじゃなかったのかよ! あ、お前。さっさとそこの屋根の下に入れ。ったく、シャッター街とはついてねぇが、屋根が少しでもあるとないとじゃ随分違うだろ。 弱まるくらいまでなら事足りる。 ほれ、入った入った。

行かなきゃ、行かなきゃ…… 雨は冷たくていいんです。冷たいのが当たり前なんです。そんなことはおれだって百も承知です。 でも、行かなきゃ…… ──逃げなきゃ。

雨っていいね。 ん? 傘差さないのって? 肌で雨を感じるのが雨に対する本当の愛し方だというのが僕の持論でね。 馬鹿って言わないでよ、酷いなぁ。 笑っちゃうじゃないか。