「俺は君の侍女とデートすることにしたよ」
王宮で開催された夜会で、エルーシャは婚約者から浮気宣言をされた。
今回だけではない。婚約してからずっと、彼はエルーシャに不誠実だった。
彼は別れたいわけではない。むしろエルーシャの気を引こうとして、幼稚な行動を繰り返す愚かな男だった。
そしてふたりの婚約は、このような事態になる前に王家の仲介で取り決められている。そのため誓約さえ守れば婚約破棄はできないと、婚約者は高をくくっていたが……。
「それなら、私も自由にさせてもらうわ」
「えっ!?」
「では失礼します」
彼はまだ気づいていない。
エルーシャがプロポーズの返事をすると決めた、その意味を。
これは「今ならやり直せると思う」と勘違いしている愚かな男に向かって、主人公がプロポーズの返事をすることで、待ち望んでいた結末をつかんで幸せになるお話です。
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折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-08 21:10:49
68398文字
会話率:37%
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