妹様の才知を妬む『鬼』の仕業で御座います
そう教えてくれた。対処法を出せといえば、今は御心を癒やすようにとだけ、そう言い置き帰って行った。
くそぉ……あの陰陽師に坊主!大枚叩いたというのに、どいつもこいつも役に立たんわ!
歳月の速さに少しばかり切なくなる。妹は、すっかりやつれて戻ってきた。それからは誰一人にも文も出さず、気晴らしの管弦の宴を催しても顔を出さす、貝合わせを、香合わせと誘いをかけても、御簾の奥から出てこない。鬱々と沈む様にぼんやり日々を過ごしている。
どうしてこうなった!
妹かわいい!のお兄さんがぼやいております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-24 19:00:00
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