――――かつて、刀一本で天下統一を果たした【陽ノ国】初代皇帝。
彼が息子に皇位を譲り、姿を消してから幾星霜の時が流れた。
代々、皇族を守護する御剣家の長男、御剣刀真(みつるぎとうま)。
皇族を守護する刀士たちにとって、命と繋がる己の武器……【命刀】を発現させることは何よりも重要だった。
――――しかし、彼は【命刀】を発現させることができなかった。
そのうえ、何故か魔力も上手く扱えず、まさに刀士として絶望的な状況。
これが原因で、家族や分家から見放されたものの、彼は少しでも認
めてもらいたい一心で努力を重ねる。
だが、その思いも空しく、刀真は厄介払いとして島流しに。
そこは【陽ノ国】屈指の危険な島であり、昔から伝わる迷信により、体のいい生贄として刀真が選ばれたのだ。
魍魎が跋扈するその島で、まさに絶対絶命の危機。
それでも生を諦めず、最後まで抗う刀真の下に、一人の老人が姿を現した――――。
これは、かつて無能と呼ばれた少年が、自分の居場所を見つける物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-28 12:21:32
80522文字
会話率:35%
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山頂にある名が刻まれていない小さな墓標の前で、聖騎士リアナは故人を偲びながら2年前の出来事をふりかえる。
すべては隣国のイスマリア皇女を母国の次期王位後継者であるカイン王子の妃として迎える勅命を受けたことから始まった。
カイン王子を思い慕うリアナとってそれは恋敵を自ら迎え入れることになると苦悩する。
皇女は本物か影姫か知らされていない状況の中、リアナは想いを断ち切ろうと思いながらも嫉妬を感じてしまう。
だがイスマリア皇女は優しく手を差し伸べ自分に正直になれと諭す。
そして隣国アステルベルク皇国を発って2日目、気持ちの整理がつかないリアナの前に魔物を従えた妖魔の大群が襲い掛かる。
決死の逃避行の最中、聖騎士の証でもあるペンダントに自分やカイン王子のことを侮蔑された言葉を思い出して秘めた力を使うことを拒み、共に護衛していた兵達が次々と倒されて次第に追い込まれていく。
果たしてリアナは絶体絶命の窮地を凌ぐことが出来るのか!
そして守るべきイスマリア皇女は本物なのか!
クライマックスは誰もが想像し難い結末を迎える――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-11-05 14:50:07
83860文字
会話率:22%
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