祖父の家からバイク通学で高校に通う樹くんは、十二月一日、隣に引っ越してきた女子大生に一目惚れをする。彼は口数が少なくて、喋りが苦手。だから行動で示す。彼女は気付かないもので、怪訝な顔をする。
通学前「行ってきます」「行ってらっしゃい」帰宅後「ただいま」「おかえりなさい」それが二人の会話の大部分。
手を繋ぎたい、抱きしめたい、キスしたい、それ以上だって、樹くんは望む。その前に告白しないといけない。
最終更新:2022-05-15 20:56:25
58963文字
会話率:38%
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ごく普通の学生黒柳悦郎の転生どころか本当に何も起きない日々。
遅刻しそうになるだけでも特別な一日。
朝は幼馴染が起こしに来たり、妙なノリのちびっこ優等生が黒い笑いを浮かべたり、許嫁を名乗る転入生が現れたり。ポンコツ気味な担任教師がやらかしたり。バイト中の元同級生と変わらぬノリで絡んでみたり。泊まりに来た自称許嫁はおとなりの幼馴染に引き取られていったり。クラスで二番目のぐるぐるメガネの優等生は妙な競争心をむき出しにしたり。バイク通学をしている長身ロン毛で女性ライダーの部活の先
輩にあだ名で呼ばれたり。クラスで芸術鑑賞会として能を見に行ったり。歴女のクラスメイトが興奮したり。精進料理を食べたり。金髪の新人レスラーと夕食を一緒に食べたり。アイドル好きの同級生が転入生を同人アイドル活動に勧誘しに来たり。幼なじみが風邪を引いたり。授業中に校庭に入り込んできた犬にテンションが上がってみたり。美術の授業で幼なじみと婚約者から同時に似顔絵を書かれたり。休みの日に元同級生の地下アイドルのライブを見に行ったり。幼なじみと婚約者がナンパされそうになっているところをゴリマッチョの人に助けられたり。雨の日に幼なじみと普通に学校に行って相合い傘なんてこれっぽっちもしなかったり。元同級生のバイトしてるコンビニに行ったらそいつと一緒に地下アイドル活動してる子にロックオンされたり。妙に色っぽい叔母さんが釣りマニアの旦那さんがたくさん釣ってきた魚をおすそ分けしてきてくれたり。恐竜マニアの後輩が新しい発見について熱心に語ってきたり。健康診断を受けに行ったり、プール掃除をしたり、期末テストを受けたり。
何か起きそうでホントに何も起きない毎日を、黒柳悦郎は走ったり走らなかったりする。
そんな日常。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-31 21:00:00
294180文字
会話率:49%
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