フルタの顔がスーパーインポーズ(上書き)されたニセフルタの顔が、インターネットのSNS上に頻出するようになっていった。その顔は誰からともなくタローと呼ばれるようになった。「タローを探せ」というインターネットのゲームにまで発展し、世界中で評判となっていった。タローはテレビ界にも進出し、コタローやザ・タローなど様々なタローが登場して社会現象となった。さらに、あろうことか動物の顔までタローで上書きされた。そしてついに、インターネットの動画のすべての顔がタローの顔によって上書きされ
てしまった。防犯カメラに写った人もすべてタローになったので、防犯カメラはその任を果たさなくなった。タローブームはタロー仮面というかたちで小学生にも影響を及ぼした。そうした一連の騒動の中で、フルタは愚痴を零しつつも、堅実な日々を送った。一方、かれの同居人である、アダルトビデオのクィーンと呼ばれるクララは、密かに何かを画策しているようであった。タローブームはどこに向かって収束するのであろうか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-20 00:00:00
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フルタカズキはカーディーラーに勤める平凡なサラリーマンである。そうしたかれが、ある日、防犯カメラに写っていたという理由で、身に覚えのない事件に巻き込まれた。フルタは防犯カメラに写っている時刻には自室で寝ており、その場所に行った覚えはなかったが、その証言はアリバイとして採用されなかった。すぐに真犯人が登場し事なきを得たが、インターネット上に自分とそっくりの人物が次々と登場し、アダルトビデオにまで出演していることが判明した。そうしたことすべてが、身に覚えのないことだった。しばら
くすると、そのアダルトビデオの相手役だった女性がかれの前に現れた。彼女の口からディープフェイクという言葉が出た。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-18 00:00:00
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