三年ほど前のスパリゾート・ハワイアンズを物語の舞台としている。季節は晩秋。
武藤と宮本は大学時代、青春を共に過ごした旧友である。
宮本は湘南ボーイでスマートな男だったが、海外勤務が長く、大学の同期会には
御無沙汰していた。昨年の同期会で二人は四十年振りに再会した。
四十年前と言えば、今は死語となっているが、全共闘が大学を席捲していた時代
でもある。教養部の二年間は仲良しだった二人は学部に上がった三年以降、仲は
断絶した。その理由は、・・・。一つの青春残酷物語を読者に提示する。
最終更新:2018-05-17 20:00:00
28718文字
会話率:26%
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風越山の麓にあるグリンス=ウェルはアセイラム帝国有数の温泉街。先代国王「温泉王」ウィスコット一世ゆかりのその温泉街に、細々と経営を続ける老舗旅館「ハイネ&ハイネケン」があった。
その館主は弱冠一八歳の少年アルト。
アルトは二年前に先代館主である祖母からハイネ&ハイネを受け継ぎ、妹のアンネとともに旅館を切り盛りしてきた。旅館は、歴史ある建物とグリンス=ウェルの名高い温泉、アットホームながら質の高いサービスで評判を得、常連客を中心に賑わいを見せている。
だが、そのハイネ&
ハイネにピンチが訪れる。隣の敷地にできたシュルンベルク財閥系列のリゾートホテル「グリンス=ウェル・スパリゾート」がハイネ&ハイネを買収すると宣言してきたのだ。
さらには、家出してきたらしい訳ありの貴族の兄妹まで現れて――?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-04-09 00:00:00
119283文字
会話率:30%
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