(前回までのあらすじ)
第6軍は西方へと向かっていた。政治将校殿の辻説法によれば我々は世界を革命する血路を開いている最中らしかった。
わたしはそんなものにいっさいの興味がなかった。だがモスクワの政変はいかれ屋のアジテーターを救世主に出世させ、紅軍はブルジョワの搾取から30億の人民を開放するために世界をアイロンがけすることになった。1944年11月、ベルリンで不幸なヤンキーと顔合わせした我らがチェキストの犬どもは、「ファシストは我らが同胞共産党革命政府から不当に国家主権を奪った
反逆者である」という猊下の大御心に従い薄汚い帝国主義者に殴りかかった。
むかしこの星では戦争をしていた。そして今は戦争をしている。分断された世界が悲鳴を上げる。だがそんな声は私には届かない。聞こえるものはエンジン音。見えるものは敵の影。私は概念陸軍Echt中隊中隊長、今日も敵のケツを蹴り上げるべく戦場へ向かう―。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-21 18:08:44
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