回復水、火避けの丸薬、姿変えの雫、呪い消し水、万能秘薬、神々の目薬ーーーー。それらは魔術や法術、時には魔法にも匹敵する力を秘めた薬で、名を魔術薬と呼ぶ。
そしてその魔術薬の調合を生業とする者達は魔術薬師と呼ばれ、厳しい試験を合格した者のみがなれるのであった。
そんな試験に合格し、晴れてこの春から新人魔術薬師として魔術薬工房に就職した少女、水無月。
十六歳の誕生日、初めてのお酒にテンションが上がり飲みすぎてしまう…………。
次の日、目が覚めると彼女は人生最大のピンチに陥ってい
た。
見知らぬ部屋、見知らぬベット、そして隣で眠る見知らぬ美形
はて。なんですかこの状況は?
あわてふためく水無月に、横で目を覚ました美形さんがとんでもないことを告げた。
「俺あんなこと初めてだったのに…………」
男の言葉に、焦った水無月はその場を逃げ出す。
二日酔いと気掛かりな発言で鬱々しながらもなんとか工房に出勤した彼女の元に、まさかの今朝の男が再び襲来。
「おーい! 水無月ちゃーん!」
なんでここに!?
そもそもなんで私の名前知ってんのー!?
新人魔術薬師水無月の、調合と魔術薬と恋の物語が今はじまる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-06 14:25:02
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